Q どのような要件を満たせば定期接種(A類疾病)ワクチンとなるのでしょうか?

 予防接種は、健康な人に投与するものですが、副反応のリスクは避けることができません。行政が国民に接種を積極的に勧め、100%近い対象者が接種を受けることになる以上、A類疾病の定期接種ワクチンには、個人の判断で接種を受ける任意接種ワクチンを承認する段階よりも、高い有効性と安全性が必要です。

 実際に、過去の予防接種行政では、承認されたワクチンの任意接種ワクチンとしての国内での長期間の使用実績を見て、任意接種ワクチンよりも高い有効性・安全性があると認められた場合のみ、定期接種の対象としてきました。

 また、行政が副反応を伴う予防接種を積極的に勧奨することが許されるのは、病気のまん延を防ぐという集団予防の目的と、ワクチンに集団予防の効果がある場合だけと解釈されてきました。

 日本脳炎と破傷風は、ワクチンに集団予防の効果がないにもかかわらず、例外定期にA類疾病として定期接種の対象とされています。これは、日本脳炎と破傷風が、ひとたび感染すれば短期間のうちに重篤化してしまい、確立した治療法がなく、致死率の極めて高い感染症であって、ワクチンの予防効果が非常に高いため、例外的にA類疾病とされてきたものです。