子宮頸がんの原因とされるHPVは、子宮頸部の粘膜上皮の下層にある基底細胞に感染するとされていますが、感染後、しばらくは潜伏感染といわれる状態となり、他のウイルスのように急速に増殖することがありません。そのため、抗原として察知されず、免疫システムが働きにくいという特徴があります。
そこで、HPVワクチンは、HPVが感染する前の排除をめざしました。そのためには、HPVの体内侵入時に結合するのに十分な抗体量が必要なので、高い抗体価を長期間維持できるように設計しています。
この点が、ウイルスが感染した後の増殖する段階でこれを排除しようとする日本脳炎やインフルエンザワクチンなど一般のワクチンと異なります。