九州訴訟の裁判期日(1/20)が開催されました(被告側専門家証人)

 2025年1月20日(月)、福岡地方裁判所で、被告GSKが尋問を申請した園生雅弘(そのうまさひろ)証人の反対尋問期日が開かれました。去年の10月7日の園生証人の証言内容を踏まえ、原告側代理人が尋問を行いました。 

 裁判前、この日も、多くの方から寄せられた「被害者に寄り添った早期の公正な判決を求める要請書」の署名を原告さんが裁判所に届けました。この日の署名は、ネット署名も含め996筆。これまでの合計が22163筆とのことでした。沢山の支援に感謝申し上げます。

 9時50分から傍聴券交付の開始、11時から16時半までの期日、その後期日後報告集会と、1日がかりのスケジュールであるにもかかわらず、九州各地を含む全国から多くの方にお集まり頂きました。

 この日を皮切りに全国4地裁の訴訟で実施される合計12人の専門家証人の反対尋問が始まりました。

 一般に、反対尋問は、主尋問でなされた証言の信用性を減殺するために行われます。

 主尋問と違い、証人と事前に打ち合わせをすることはできませんので、弁護団は尋問に対する園生証人の回答を想定しつつ、尋問事項を作成し期日に臨みます。尋問担当者である富永悠太弁護士(ちくし法律事務所)、緒方枝里弁護士(九州合同法律事務所)を中心に、約半年間、裁判の証拠として提出された園生証人の論文はもちろん、関連する様々な文献にあたって議論が重ねられ、綿密な準備がすすめられました。

 

 園生証人からは、尋問に対して単に回答をするのではなく、尋問や示した文献に対する詳細な意見、反論にあたるような質問が出されるなど、見ていてハラハラする場面もありましたが、富永弁護士、緒方弁護士は、これに動じることなく冷静に対応されました。

 園生証人の反対尋問によって、園生証人はHPVワクチンの副反応被害について2例の診察経験があるのみであること、FNDの診断基準には限界があること、原告らの副反応症状はFNDの症状とは異なるものであることなどが明らかになりました。

 裁判所の左陪席からは、園生証人が実際に診察をしたHPVワクチン副反応被害を訴える患者について、当時の症状やワクチンとの因果関係を否定した根拠などの質問がありましたが、いずれも具体的な回答はなされませんでした。裁判所も同様に園生証人の証言がHPVワクチン副反応被害を否定するものではないとの心証を抱かれたのではないかと思いました。

 期日終了後に、福岡県弁護士会館で開かれた報告集会では、富永弁護士より、反対尋問で得られた成果として①FNⅮの診断基準は、原告らの副反応被害とは関係がないこと②昨年出された髙嶋医師の論文に対して核心をついた反論はなされなかった③FNDには、原告らの副反応被害はみられないことを確認できたと説明がなされました。

 また、緒方弁護士からは、大変な準備だったが努力が報われてよかったとの発言があり、大きな拍手が送られていました。

 富永弁護士、緒方弁護士の尋問について「かっこよかった」「略語などが多用されていたが、弁護士さんがすごくよく勉強されていると思った」「これからいよいよ真実が明らかにされるのではないかと確信をもった」といった感想がありました。

 原告さんは、園生証人の反対尋問について、裁判では、FNDの基準について述べられただけで、私たちのことは何も話していない。何の裁判をやっているのかという気持ちになった、お話されました。

 その他、隈本邦彦さん(支援ネットワーク)、梶山さん(支える会山口)、山崎さん(支える会大分)、わたなべさん(支える会沖縄)、澤さんなどたくさんの支援の方にご発言いただきました。支援のつながりで初めてご参加いただいた田頭さん、大分県教職員組合の方などにもご発言いただき、大変心強く思いました。

次回の九州訴訟期日は1月27日(月)、被告側専門家証人畑澤順氏の主尋問期日です。ぜひご参加下さい。

引き続きご支援のほどよろしくお願いします。

 

<九州訴訟の今後の予定(2025年)>

 

4月14日(月)11時~ 被告側専門家証人・反対尋問

4月21日(月)14時~ 被告側専門家証人・主尋問

 

~期日後報告集会の様子~