【HPVワクチン薬害名古屋訴訟】原告本人尋問が行われました

2024年8月22日(木)にHPVワクチン薬害名古屋訴訟の本人尋問期日が開かれました。

名古屋訴訟では、今回が3回目の本人尋問期日です。

 

8月下旬の非常に暑さの厳しい中ではありましたが、期日前集会からとても大勢の方に集まっていただくことができました。

【期日前集会の様子】

法廷の傍聴席も満席の状態で、大勢の傍聴者に見守られる中、今回は原告17番の女性が尋問に臨みました。

 

原告17番さんは、歩行が不安定になってしまうことから、杖歩行を余儀なくされており、証言台にも杖を使いながら移動し、現在もハンマーで叩かれるような激しい頭痛をはじめとする全身痛、内臓を締め付けられるようなお腹の痛みといった症状があると訴えました。

 

原告17番さんは、現在25歳で、関東地方の大学3年生に在籍しています。

通学のため、親元を離れてなんとか一人暮らしをしていますが、大学から帰宅した後も、疲労のために少なくとも1時間程度は横になってからでないと、授業の課題などをすることもできません。

また、握力が非常に弱くなってしまっており、調理器具を持って料理をすることもできないため、食事の配達サービスを利用しています。

 

17歳頃からは記憶機能にも障害を生じるようになり、現在の原告17番さんが保持できている記憶は最長でも過去2-3年程度に限られています。

法廷では、これまでにカルテに目を通したり、家族から聞いた話として、それまでの学校生活や治療の状況などを話しました。

原告17番さんは、このような状態を、まるで歴史の年表を見ているかのようだと説明していました。

 

こうした記憶障害は現在もなお続いており、それまでに何度も通っているはずの大学や受診先の医療機関へ通う際にも、途中で道や降りる駅がわからなくなってしまうこともあります。

 

当日も非常に体調の優れない中ではありましたが、原告17番さんはひとつひとつ自分の言葉で現在自分の置かれている状況を裁判官に伝えました。

弁護団から、今不安に思っていることを聞かれると、今のことを覚えていることができないため、大学を卒業した後、今の友達と思い出話すらできないのかもしれないことが不安だと、涙を堪えながら語る様子も見られました。

尋問後は、桜華会館に会場を移して、オンラインも併用しての報告集会を行い、原告17番の尋問を担当した久保晴男弁護士から尋問の様子を報告しました。

また、原告団や支援の方々、各地弁護団のほかにも、傍聴に来ていた法科大学院院生や司法修習生も一言ずつ、実際の原告の声を法廷で聴いての感想をお話しいただきました。

【尋問の様子を報告する久保弁護士】

【上段:(左から)原告落合晴香さんの父・堀弁護士(名古屋)・小山弁護士(大阪)

 下段:(左から)富永弁護士(九州)・岡田弁護士(九州)・長南さん(名古屋・全国支援ネット代表)】

報告集会終了後は、名古屋地裁地下にある司法記者クラブでの記者会見も行いました。

会見には原告17番さんも出席し、法廷で証言の概要や尋問を終えての感想などを記者に話しました。

今回の期日も本当に多くの方に傍聴にお越しいただくことができ、私たち弁護団としても非常に励まされましたし、原告17番さん自身も大変心強く感じることができたのではと思います。

 

ここまで3期日続けて原告本人尋問が行われてきましたが、次回以降、被告側が申請する専門家証人の尋問が行われる予定となっています。

引き続き、たくさんの方に傍聴にお越し頂き、製薬企業側に立つ専門家がどのような証言をするのかを是非聴いていただきたいと思います。

 

次回期日は11月25日(月)です。

集合時間等の詳細については、追って弁護団ホームページ等でご案内致します。