2024年2月21日(水)、HPVワクチン薬害東京訴訟口頭弁論期日が開催されました。今回の期日は、原告3人の本人尋問を行う期日です。
開廷に先立ち、裁判所前にてリレートークを行いました。
東京原告15番さん、福岡原告・梅本美有さん、東京訴訟弁護団事務局長の関口正人弁護士、HPVワクチン薬害訴訟を支える会・北海道の浅川身奈栄さん、HPVワクチン薬害訴訟を支える会・沖縄の渡辺優子さん、杉並区議会議員の曽根文子さん、HPVワクチン東京訴訟支援ネットワークの隈本邦彦さんから、それぞれ裁判に向けた思いを語っていただきました。
また、リレートークの際には大阪弁護団の野口啓暁弁護士が作詞・作曲をし、大阪弁護団の安田知央弁護士がボーカルとして参加する原告団応援歌「パレード」も流されました。
【裁判所前のリレートークの様子】
今回の口頭弁論期日では、原告56番さん、原告5番さん、原告19番さんの尋問が行われました。
原告56番さんは、人や社会のために仕事をしたいという思いから、管理栄養士になることを夢見ていました。その目標に向かって勉強を続けていて、地域では一番の進学校に進んで、その中でも成績が優秀でした。
しかし、高校2年生の夏が終わった頃から副反応症状がひどくなり、教科書を読んでもその内容が入ってこないといった状態になってしまいました。大学受験をすることもできず、現在は障害者就労支援の作業所で仕事をしていますが、時給は127円にとどまっています。
また、原告56番さんはこれまで匿名原告として活動をしてきましたが、自身や家族の苦しみをもっと多くの人に知ってもらいたいという思いから、実名(倉上万莉佳さん)を公表をすることを決意しました。
原告5番さんは、ワクチンを接種する前はスポーツが好きで、中学時代はバレーボール部の部長として活動していました。将来は英語を使った仕事をしたいと考え、英会話のレッスンも受けていました。
しかし、副反応症状のめまいがひどくなり、バレーボール部の引退試合の1か月前に入院をし、引退試合には出ることはできませんでした。高校では、周囲の人の支えがあって高校生活を続けることができましたが、希望していた大学受験は思うようにできず、大学進学をあきらめることになってしまいした。
原告19番さん(園田絵里菜さん)は、中高一貫の学校に進学したのち、演劇部や文学調査部での活動などをしていました。将来は科捜研で働くことを夢見ていました。
しかし、ワクチン接種後に生理痛などがひどくなり、次第に高校生活を続けることが難しくなっていきました。高校3年生の時には学校へ行くことがほとんどできなくなり、高校を転学しなければなりませんでした。副反応症状について医師や学校の関係者といった周囲の方からの理解を得ることができないという苦しみもありました。
それぞれの原告は自分の状況を自分の言葉で直接裁判官に伝えることができました。
その後、場所をビジョンセンター有楽町に移し、報告集会が行われました。
まず、弁護団の木下正一郎弁護士、鈴木順弁護士、鮎京眞知子弁護士から、本日の尋問の内容等について報告がありました。
次に、福岡原告の梅本美有さん、東京原告33番さん、HPVワクチン薬害訴訟を支える会・沖縄の渡辺優子さん、HPVワクチン薬害訴訟を支える会・北海道の浅川身奈栄さん、HPVワクチン東京訴訟支援ネットワークの藤竿伊知郎さんから、それぞれ尋問の感想や、原告の皆さんへのメッセージがありました。
報告集会では、リレートークでも流された原告団応援歌「パレード」の動画も流されました。
【報告集会で当日の尋問について話をする(左から)鮎京弁護士、鈴木弁護士、木下弁護士】
また、並行して東京地方裁判所で記者会見を行いました。
記者会見では、倉上万莉佳(東京原告56番)さん、園田絵里菜(東京原告19番)さん、主尋問を担当した山本大地弁護士、澤田智俊弁護士、鈴木順弁護士と、関口正人弁護士、水口真寿美弁護士が参加し、期日の報告を行いました。
【記者会見に臨む澤田弁護士、倉上さん(原告56番)、山本弁護士と園田さん(原告19番)】
リレートークから報告集会・記者会見に至るまで、多くの方にご参加いただきました。本当にありがとうございました。
▶各地の次回期日
名古屋訴訟 2024年2月26日(月)13時15分~
大阪訴訟 2024年3月7日(木)10時00分~
九州訴訟 2024年4月17日(木)13時15分~ (開廷時間変更の可能性あり)
東京訴訟 2024年5月15日(水)10時00分~