【HPVワクチン薬害名古屋訴訟】原告本人尋問が行われました

2024年2月26日(月)、名古屋地方裁判所大法廷で原告本人尋問が行われました。

この訴訟の名古屋地裁での本人尋問は今回が初めてで、全国的には福岡、東京に続いて3地裁目となります。

 

当日は、前日までの悪天候とは打って変わって晴天に恵まれ、大勢の支援者の方のご参加をいただいて期日前集会を行い、入廷を見守っていただくことができました。

期日前集会でコメントする東京支援ネットワーク代表の隈本邦彦さん(写真右)

今回は、原告12番の落合晴香さんと、原告2番さんの母が、それぞれ法廷で証言しました。満席となった傍聴席からお二人の背中に暖かい視線を送っていただきましたので、証言したお二人も、とても心強く感じたことと思います。

 

落合さんは、GSK社製のHPVワクチンであるサーバリックスを接種した後に膝の痛みや下肢のむくみを発症し、全身の痛み、倦怠感、記憶障害などの症状が現在まで続いていることや、19歳でそれまでの記憶をすべて失ってしまったことへの思い、子育てや今後の就労についての不安などを述べました。

その上で、自分が被害に遭ってしまったことをただかわいそうだというだけで終わらせたくない、今回のことが自分たちの子どもも含め未来に繋がるのであれば、勇気を出して法廷で証言してよかったと思えると、裁判官の目を真っ直ぐ見つめながら力強く証言しました。

 

原告2番さんの母は、非常に体調が悪く法廷で証言することが困難な本人に代わって、証人として、サーバリックスの第2回接種後、1週間から10日程度の間に背中の違和感からしびれ、麻痺といった症状を発症して入院に至ったという経緯や、その後も現在まで継続している下肢の激しい疼痛や脱力、けいれん、しびれ、失神、味覚・嗅覚過敏、発汗異常といった多様な身体症状、さらには相貌失認を中心とする認知機能障害といった深刻な病状について証言しました。

母の顔さえ分からなくなってしまうという原告2番さんの強い認知機能障害の実情を説明した際には、涙のために話を続けることができなくなってしまい、一旦休廷を挟んで気持ちを落ち着けた上で、証言を継続するという一幕も見られました。

回復の目途の立たない娘を見守り続ける母としての胸の内が本当につらく苦しいものであることが、その姿から強く伝わる法廷となりました。

 

尋問終了後、裁判所の前でメ~テレの取材に応じる落合さん

閉廷後は、桜華会館に移動して報告集会を行いました。長時間の法廷の後であるにもかかわらず、大勢の支援者の方に集会に参加いただいたことに心から御礼を申し上げます。

集会では、落合さんと原告2番さんの母から、それぞれ尋問を終えた感想をお話しいただきました。

当日証言した原告さんだけでなく、次回(5月31日)の名古屋期日で尋問が予定されている原告14番さんからも、今回の尋問を踏まえての次回への意気込みをお話ししました。

報告集会でコメントをする落合さん(左)と堀名古屋弁護団代表(右)

また、司法記者クラブでの会見に参加した落合さんは、法廷での証言中に裁判長がずっと自分の目を見て話を聞いてくれていたので、自分の思いをしっかりと伝えられたと思うという感想を記者のみなさんに伝えました。

記者の方から接種に至ったきっかけについて質問を受けた原告2番さんの母は、がんの予防接種と聞いて本人よりも母自身の方が接種に積極的となり、特に問題意識もなく、お知らせが来たから打つという感じで病院に連れて行ったが、まさか2回目の接種の1週間から10日後にこのような症状を発症するとは思わなかったということを、ご自身の言葉で説明しました。

原告14番さんも会見に同席し、当日の法廷を傍聴した感想として、同じ経緯で同じ時期に同じ辛い経験をたくさんしてきたという話を聞いて、自分の人生を語ってもらっているような気持ちになったという感想を述べた上で、次回自分が話す時にも早く治療法を開発してもらいたいという思いを裁判官に伝えていきたいと話しました。

 

記者会見の様子:写真左から柄沢弁護士(落合さん尋問担当)、落合さん、堀弁護士、

川瀬弁護士(原告2番母尋問担当)、原告2番さんのお母さん

今回、大勢の方に傍聴にお越しいただくことができましたことを、大変ありがたく感じています。

次回は5月31日(金)午後1時15分から、原告14番さん、原告13番さんの本人尋問が予定されています。

次回も是非、多くの皆さんに法廷にお越しいただき、法廷に立つ2人の原告さんを見守っていただければと思います。