九州訴訟の裁判期日(本人尋問)が開催されました

 2024年4月17日(水)、HPVワクチン薬害九州訴訟口頭弁論期日が開かれました。原告番号27番、15番さんのお二人の、本人尋問が行われました。

 1月に開かれた本人尋問期日と同様沢山の方が傍聴に駆け付けてくださいました。

 27番さんと15番さんが尋問で話された内容をご紹介します。

【27番さん本人尋問】

 27番さんは、中学校2年生のときにサーバリックスを接種しました。サーバリックス接種後、布団から起き上がれなくなるほどの強い頭痛、生理痛、肌の痛みなどが出るようになり、頭痛が出たときには部屋を暗くして布団の上で痛みにじっと耐えていました。高校生の時には症状が悪化し、原付バイクの運転中、手の震えで自動車とぶつかりそうになったという出来事もありました。

 その後鹿児島大学病院を受診し接種後の症状がワクチンの副反応と指摘をされて免疫吸着療法を受けました。入院中は、友達が楽しそうに遊ぶ写真を目にして、なぜ自分も同じように遊べないのかと辛い気持ちになったそうでした。免疫吸着療法で頭痛や生理痛、肌の痛みなどの痛みが軽減したものの、体力が戻らず記憶力にも不安を感じ、小学校2年生の時からの夢だった看護師の道をあきらめざるをえませんでした。現在仕事はしているものの、この状態がずっと続くのだろうかという不安があると訴えられました。

 今訴えたいことという質問に対しては、これまで原告のストレス性の症状であると被告から指摘されてきたことなどに対して家庭環境を言われるのは違うと思う、ストレスがあって症状が出るのであれば誰でもなりうるがそうはなっていないと話されたときには、それまで淡々と話をしていた原告さんがこらえきれず、涙を流されていました。

 反対尋問では、被告企業から、繰り返し、症状の原因が両親の不仲や学校でのいじめにあるという観点から、両親が不仲だったのではないか、学校でいじめを受けたのではないか、先生から・・・と言われたのではないか、と繰り返し聞かれましたが、両親はしょっちゅうけんかしていたわけではない、いじめられていたという記憶はないと堂々と答えられました。

 

【15番さん本人尋問】

 15番さんは、ワクチン接種後の中学校2年生の夏頃から、言葉で表しづらい、内臓がひっぱられるようなのたうち回る腹痛が出るようになり、この腹痛について苦しくて意識をとばしてしまいたいほどつらい腹痛だった、できることならもう二度と経験したくない腹痛であったとお話されました。学校に行けないことを心配した母が厚労省に相談し、高校1年生の時に脳神経内科を受診し子宮頸がんワクチン副反応の疑いと言われました。当時はなぜ自分だけという気持ちの他、原因不明の体調不良に診断がついてよかった、これで治るんだと思ったという安堵した面があったということでした。

 しかし、体調は回復せず、高校2年生のときにやむをえず退学を決意し退学します。通学していた高校は、外交官になりたいという夢を持ち、念願かなって入った第1志望の高校だった、勉強も好きだった、どのクラスにも友達がいて友達と離れたくない、辞めたくないが学校に通うのもきつい、いろんな気持ちがあったと涙をこらえながら話されました。その後一人暮らしを伴う県外の大学への進学は諦めて大学に進学した後も、体調面での不安から就職はせず、現在は神経内科に通院し、鎮痛剤は週に5、6回は飲みながらバイトをし、資格試験の勉強をする生活を送っておられます。

 今はだいぶあきらめることができるようになったが、本当は国際的な仕事に携わりたかったという言葉には、悔しさがにじみ出ていました。被告製薬企業による反対尋問では、ワクチン接種後も勉強や部活などを熱心にできていたのではないか、接種後にも変わらず学校生活を送れていたのではないか、長い時間にわたって就労ができたのではないかという観点で繰り返し質問がなされましたが、体調によって早退する日も多かった、当日急にバイトを休んで迷惑をかけることもあった、バイトは代わりがきくように選んでいるという答えられ、原告の副反応の被害がより明らかになっていました。

 

【期日後報告集会】

 尋問後に福岡県弁護士会で開かれた報告集会では、原告15番さんが、担当の先生に寄り添ってもらって自分の気持ちをしっかりと伝えられたのがよかったと感想を述べられるなど、原告さん、担当の弁護士のタッグで尋問は大成功に終わったように思いました。

 また、報告集会では、完成したばかりの、前田弁護士作曲、東京原告作詞・歌唱による楽曲「demoiselle」が初披露されました。原告さんの思いと願いが詰まったとても素敵な曲で、これからたくさん皆で歌って励まし合い裁判の局面を乗り越えていけたらと思います

 

次回の九州訴訟の期日は2024年7月10日(水)です。九州訴訟原告2名の本人尋問が行われます。引き続き、ご支援をよろしくお願いします。

 

<九州訴訟の今後の予定>

7月10日(水)13時15分~ 原告本人尋問

 

~期日後報告集会の様子~

【尋問担当者からの説明 川廣弁護士】
【尋問担当者からの説明 川廣弁護士】
【尋問担当者からの説明 井芹弁護士】
【尋問担当者からの説明 井芹弁護士】

【尋問担当者からの説明 井上弁護士】
【尋問担当者からの説明 井上弁護士】
【書籍「HPVワクチンのほんとうのこと」/報告集会配布資料】
【書籍「HPVワクチンのほんとうのこと」/報告集会配布資料】