2024年10月7日、被告側専門家証人(医師)の証人尋問が行われました。
裁判前、この日も多くの方から寄せられた「被害者に寄り添った早期の公正な判決を求める要請書」の署名を原告さんが裁判所に届けました。
この日提出した署名は1148筆。これまでの合計は17938筆です。多くの方が原告さんの訴えに共感してくださっています。
裁判のあとの報告会で、体調不良でやむなく期日に参加できなかった原告さんから届いたメッセージが読み上げられました。
「SNSで、HPVワクチンを打った人たちを褒めようする動きを目にしたけど、打った者が褒められるのであれば私たちって一体何なんでしょう?日々増え続ける副反応報告と思い通りにならない体調に心が折れかけていましたが、皆さんは、今回のことにも、今のどうしようもない世の中にも、自分事として一緒になって腹を立ててくれているんだと思います。いつも支えてくださる皆さんが私たちにとって何よりの支えです。
次回の裁判での弁護団の先生方の反撃を楽しみにしています。」
この日、小雨が降るなか、被告GSKが申請をした園生雅弘(そのうまさひろ)証人の尋問が行われました。
脳神経内科、機能性神経障害(FND)の専門家として、脳神経内科を受診する患者の2割はFNDと診断できる、原告の多くが自己免疫脳症と診断できると証言した高嶋医師の証言は間違っているといったことを証言されました。
2時間を超える尋問の中で園生証人はFNDの特徴的な症状について実演をしたり、疾患の背景などについてフロイトの精神分析などをもとにした説明をするなどされましたが、FNDの診断基準や自己免疫脳症との鑑別診断などについての具体的な説明はありませんでした。本件裁判で争点となっている原告の症状の一部である頭痛、光過敏、全身の痛みなどを断片的に取り上げ、これらは片頭痛で説明できる、よくある症状だと断定するなど丁寧に患者を診ている高嶋医師との姿勢の違いが際立った尋問でした。
本日はGSKによる主尋問のみで終了しましたが、次回の原告側反対尋問では、本日の園生証人の証言に対する疑問点の指摘や適切な反論を行う予定です。
終了後は福岡県弁護士会館にて報告集会を開催しました。
弁護団の富永悠太弁護士より、尋問内容についての説明があり、論文などから想定していた通りの尋問だったという感想が述べられました。
また、支援の隈本さんからは、想定していた通りの内容にとどまり治療法についての話も出なかった、HPVワクチンの有効性について知らないという証人が証言するのは不適切であると述べられました。
医師の梶山さんからは、FNDの治療法として説明された病名の告知ということについて治療の中で患者の安心させるということは大事であるもののその後のリハビリの内容などはなく残念だった、高嶋教授の症状の原因を探求する姿勢に尊敬を覚えたが、100年前の話をしても医学は進歩していかないのではないかという感想が述べられました。
大分の支援の会の山崎さんには、原告の梅本さんに関する講談をしていただきました。原告さんが産まれてから、HPVワクチン接種を受けて現在に至るまでの経過を軽快なテンポでお話をされ、会場はとても盛り上がりました。幼少期のエピードにほのぼのとしつつ、その分、原告さんの今1人暮らしをしたい、1人で旅行に出かけたいという夢がある、人生を返してほしいという強いメッセージが胸に響きました。
そして原告の梅本さんからは、園生証人は原告らを診察していないのになぜFNDだと診断ができるのか、腹立たしい内容だったが反対尋問に期待しているとの期待が述べられました。
薬害肝炎事件の当事者である方からは、皆さんと同様に腹立たしい内容だったが、また期日に来て怒りを共有したい、引き続き応援したいとのメッセージをいただきました。
また、支援者の方から、今年出版された「HPVワクチンのほんとうのこと~わたしたちの健康と未来を返して!!被害者の魂の叫び~」について、2000冊以上買っていただいているとの報告がありました。
現在は電子書籍としても販売されていて、多くの方に読んでいただいています。
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九州訴訟の今後の予定は以下のとおりです。引き続き、傍聴支援、報告集会へのご参加をお願いいたします。
<九州訴訟の今後の予定(2025年)>
1月20日(月)11時~ 園生証人・反対尋問
1月24日(月)14時~ 被告側専門家証人・主尋問
4月14日(月)11時~ 被告側専門家証人・反対尋問
4月21日(月)14時~ 被告側専門家証人・主尋問
~期日後報告集会の様子~