HPVワクチン薬害訴訟全国原告団・弁護団は、HPVワクチンの積極的勧奨が再開されることで深刻な副反応に苦しむ被害者が増えることを憂慮し、全市区町村(1741自治体)に向けた8項目の要請書を作成しました。これから順次発送作業に入りますが、その内容は以下のとおりです。
各自治体がこの要請の趣旨を十分に踏まえた対応をとることを期待します。
全国各市区町村長 殿
HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)積極的勧奨再開に伴う要請書
-「寄り添う支援」に近づくための8項目-
2022(令和4)年1月12日
HPVワクチン薬害訴訟全国原告団
代表 酒井 七海
HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団
共同代表 水口真寿美
同 山西 美明
<連絡先> 東京都千代田区二番町12番地13 セブネスビル3階
樫の木総合法律事務所内 電話03(6268)9550
https://www.hpv-yakugai.net/
<要請の趣旨>
HPVワクチンの積極的勧奨の再開により深刻な副反応に苦しむ被害者が増えることを憂慮しています。再開に当たっては、少なくとも、下記の8項目を徹底していただくよう要請します。
記
1 相談支援体制・医療体制等の環境が十分整備される前に、個別通知による積極的勧奨を行わないでください。
2 相談支援体制・医療体制等の実情に合った、慎重な定期接種を実施するため、個別通知の対象年齢を絞り、通知の方法も工夫し、慎重に進めてください。
3 HPVワクチンの危険性(他のワクチンとの比較を含む)と有効性に関する情報はもとより、接種後の症状に対する相談支援、医療、救済に関する十分な情報を提供してください。その一環として、ホームページ等において、月1回程度の目安で、自治体の接種者における副反応疑い報告の数やその主要な症状等に関する情報を提供してください。
4 地域の診療所・病院及び学校との連携を強化し、副反応被害者に対する医療、福祉、就学等の支援を丁寧に行ってください。
5 接種者の長期追跡調査を実施し、結果を情報提供や丁寧な支援に生かしてください。
6 予防接種法に基づく救済制度について周知してください。
7 副反応被害者に対する無理解、差別、偏見の解消に取り組んでください。
8 HPVワクチンを接種しても子宮頸がん検診が不可欠であることを周知し、検診費用の無償化などにより検診受診率を向上させるよう努めてください。
<要請の理由>
はじめに
厚生労働省は、2021(令和3)年11月、深刻な副反応のために2013年6月から実施されていたHPVワクチンの積極的勧奨中止の措置を終了することを決め、11月26日付で、市町村は、基本的に2022(令和4)年4月から接種を個別に勧奨する旨の健康局長通知(健発1126第1号)を発出しました [1]。
私たちは、繰り返し積極的勧奨再開の問題点を指摘してきたところですが [2] [3]、再開に当たっては、対象者が納得して接種するか否かを選択し、副反応症状を呈した場合には、適切な支援や治療等を受けることができるよう、以下のとおり要請します。
1 相談支援体制・医療体制等が十分整備される前の積極的勧奨は控えるべき
(1) 副反応症状と被害実態
HPVワクチンの副反応は、①知覚に関する症状(頭や腰、関節等の痛み、感覚が 鈍い、しびれる、光に対する過敏等)、②運動に関する症状(脱力、歩行困難、不随意運動等)、③自律神経等に関する症状(倦怠感、めまい、嘔気、睡眠障害、月経異常等)、④認知機能に関する症状(記憶障害、学習意欲の低下、計算障害、集中力の低下等)等多岐にわたります。以上は、厚生労働省作成のリーフレット(医師向け、保護者向け)にも、目立たない体裁ながら記載されています [4]。
国による追跡調査が行われていないため、多様な症状の正確な発生頻度は不明ですが、HPVワクチン接種後の重篤な副反応の報告頻度は他のワクチンと比べて桁違いに高いうえ [5]、副作用被害救済制度における障害年金の対象となる障害(日常生活が著しく制限される程度の障害)の認定頻度は、四種混合や麻しん・風疹ワクチンなどと比べて20倍以上となっています [6]。
副反応に対する治療方法は確立しておらず、全国に設置された協力医療機関は十分に機能していません(厚労省が2021年10月から11月に実施した調査では多くの協力医療機関において、この2年半副反応患者の受診がありませんでした [7])。救済制度の適用においても判定不能による不支給が多く [8] [9]、救済は極めて不十分です。中高生でHPVワクチンを接種した被害者の多くは既に成人になりましたが、未だに深刻な副反応症状に苦しんでいます。進学や将来の目標の断念、就労の困難に加え、被害を訴えると、子宮頸がんを増やして社会に害をなす者であるかのように批判され、語り尽くせない苦痛を強いられています。積極的勧奨の再開によって同じ苦しみを味わう被害者が生まれることを大変憂慮しています。
(2) 審議会で指摘された再開前の環境整備と安全対策
積極的勧奨の再開によって副反応被害者が増えたとき、現状のままでは、副反応被害者に対する適切な対応ができない事態となるという危惧感は、実は、積極的勧奨再開の決定をした厚生労働省の審議会の委員の発言にも示されています。
例えば、2021(令和3)年11月12日に開催された厚生科学審議会 [10]では、①「最初は慎重に進めていくということは大事だろうと思うのです。データをしっかり収集しながら、ゆっくり広げていくという形を取るのが一番いい」と指摘されています。また、②収集した副反応疑い報告の審議会における評価を他の定期接種ワクチンよりも高い頻度で行うこと、③協力医療機関の医師に対する研修の質を高め、再開前に実施すること、④協力医療機関の診療実態の調査をタイムリーに行うこと(厚生労働省が2021年10月から11月に実施された調査では多くの協力医療機関がこの2年半の間副反応患者を診察していないことが明らかになっている)、④地域の医療機関への周知徹底、⑤相談支援体制についての地域の衛生部門と教育部門、学校と文部科学省の連携強化の必要性などが指摘されていました。さらに、同年11月15日開催の厚生科学審議会 [11]では、⑥追跡調査の必要性、⑦治療法の開発と確立、⑧被害者に本当に必要な医療を提供できているか評価することの必要性が指摘されています(別紙議事録抜粋参照)。
(3) 積極的勧奨の前に環境の整備が必要
そもそも、副反応患者の診療のために、全国に協力医療機関を設置したり、医師に対する研修を実施したりしているワクチンは、HPVワクチンの他にはありません。
また、審議会の委員からの各指摘は、とりもなおさず、HPVワクチンの副反応リスクの高さと安全性対策の難しさを示すものと言えます。
従って、少なくとも、前項の指摘を踏まえた対応が実行され、環境が整備されないままに、個別通知を送付して積極的勧奨を行うことは、住民の生命・健康を守るべき自治体の対応として適切ではありません。
(4) 厚労省通知も相談支援体制・医療体制等が整備される前の積極的勧奨に慎重
2021(令和3)年12月28日に発出された厚労省健康局長通知(健健発1228 第1号)[12] においても、以下のように記載されています。
「(4)市町村との連携
市町村に対して、相談支援体制・医療体制等に係る都道府県等の取組み等について、周知を行うこと。また、相談支援体制・医療体制等が十分整備される前にヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種が性急に行われることがないように、市町村と必要な情報共有等を行うこと。」
この記載は、積極的に接種を勧奨しておきながら、副反応がでたときに、相談支援や医療体制等が整備されていないために、適切な対応ができないという事態とならないようにするべきであるという考え方に立脚したものと言えます。
従って、自治体としては、この考え方をさらに徹底させ、相談支援体制・医療体制等が十分整備される前の個別通知は、行わないという対応をとるべきです。
2 相談支援体制・医療体制等の実情に合った慎重な定期接種の実施を
以上に照らせば、それぞれの自治体の相談支援体制・医療体制等の実情に合った、慎重な定期接種を実施することが必要です。2021年12月28日付け厚労省健康局長通知においても「本通知でお示しした相談支援体制・医療体制等の整備状況や、各自治体におけるHPVワクチンの供給・接種体制等の実情を踏まえつつ、当該情報提供や個別の勧奨を進めること」と記載されています。
そのためには、接種対象とされる年齢層の方々全てに対して一斉に個別通知による積極的な勧奨を行うのではなく、個別通知の対象年齢を絞り、また、個別通知の方法においても、予診票を同封せず、市区町村の保健部署や保健所から、十分な説明とともに予診票を渡すなど、慎重に進めてください。
一般的な定期接種では、予防接種法8条の勧奨として、政令で接種対象と定められている年齢層のうち標準的な接種期間にあたる者に対して個別通知を送付する方法が行われており、慣例的に「積極的な勧奨」と言われています。HPVワクチンでいうと、接種対象は小学6年生から高校1年生までの女子、そのうち標準的な接種期間は中学1年生です。仮に、一年度のうちに、対象年齢層の全てにHPVワクチン接種の積極的な勧奨を行うとなると、それは一般的な定期接種すら超える対応となり、相談支援体制・医療体制等の実情に合った慎重な定期接種に著しく反するものとなることから、そのような方法をとるべきではありません。
また、仮に、積極的な勧奨を行うとしても、予診票を同封した個別通知を送付することは必須ではありません。予防接種法や政令・省令で積極的な勧奨に関する定めはなく、2021年12月28日の厚労省健康局長通知でも、そのような方法を必須としているものとは認められません。予診票については、接種対象者や保護者からの希望を受けて、市区町村の保健部署や保健所から、HPVワクチンに関する十分な説明とともに渡すなどの方法が考えられます。これは、HPVワクチンの慎重な定期接種という点からも、十分な情報提供の下で接種対象者が自己決定することを保障する点からも、必要な方法です。
3 十分な情報提供を
接種の積極的な勧奨に当たっては、住民の健康と自己決定権を守る立場から、十分な情報提供がなされることが必要です。
そのためには、HPVワクチンの危険性と有効性に関する正しい情報の提供がされていることはもちろん、接種後の副反応症状に対する相談支援、医療、救済に関する情報も必要です。
有効性については、HPVワクチンが子宮頸がんを予防する効果は、未だに証明されていません。最近、積極的勧奨の再開を決めた審議会では、「海外の大規模調査において子宮頸がんの予防効果が示されてきている」としていますが [13]、その根拠となっている論文は、子宮頸がんの発症者が少ない30歳までの発がんのデータに基づくものに過ぎず、それ以上の年齢でがんが減少するのかは証明されていないからです [14]。
危険性については、前記1(1)項において述べた情報を提供してください。特に副反応に見られる多様な症状については、接種するかどうかの判断のためのみならず、接種後に体調変化が生じた場合に副反応の可能性に気づくためにも必要な情報ですので、具体的かつ確実に提供して下さい。
さらに、情報提供の一環として、自治体のホームページ等において、月1回程度の目安で、自治体の接種者における副反応疑い報告の数やその主要な症状等に関する情報を提供してください。
4 副反応被害者に対する医療、福祉、就学等の丁寧な支援を
接種後有症者に対する医療、福祉、就学等の支援を丁寧に行ってください。
そのためには、地域の診療所・病院及び学校との連携の強化が必要です。
特に、副反応の被害者は、学校生活を送るについて大きな支障を受けることになります。学校関係者の理解が得られないまま、休学や退学を余儀なくされたりしたケースが多数生じました。被害に気づき、被害者の就学を支えることが求められます。
5 接種者の長期追跡調査を
HPVワクチンの副反応である多様な症状は、局所の腫れや発熱など一般にワクチンの副反応として知られているものと異なります。重層化して遷延することによって症候群としての特徴が明確になりますが、個々の症状には必ずしも特異性がありません。また、接種後数ヶ月を経て発症することも稀ではありません [15]。
そのため、ワクチンが原因であるということに気づきにくく、現に多くの被害者が、当初はワクチンとの関係性を疑わず、多数の医療機関を受診しては原因不明という診断を受けた経験を有しています。
そこで、自治体においては、接種対象者の長期追跡調査を行って、副反応の被害者を把握し、これを住民への情報提供や副反応被害者に対する医療、福祉、就学等の丁寧な支援に生かしてください。
6 予防接種法に基づく救済制度の周知を
HPVワクチン接種によって重い副反応被害に苦しんでいる被害者は、全国各地に多くいます(薬害訴訟の原告だけでも全国で129名に及んでいます)。被害者の多くは、適切な補償を受けられていません。
今後、増えることが予測される定期接種での被害者には、予防接種法上の健康被害救済制度が存在しますので、その制度の周知徹底をお願いします。
7 無理解、差別、偏見の解消を
HPVワクチンの副反応被害者の中には、医療機関において詐病扱いされたり、学校から怠けていると言われたりした経験をもつ者が少なくありません。また、被害を訴えると「反ワクチン」のレッテルを貼られたり、子宮頸がんを増やして社会に害をなす者であるかのように批判されたり、語り尽くせない苦痛を強いられています。
積極的勧奨の再開によって同じ苦しみを味わう被害者が生まれることのないよう、無理解、差別、偏見の解消に努めてください。
8 検診の必要性の周知、検診費用の無償化などによる検診受診率向上を
HPVワクチンを接種しても、子宮頸がんを予防するためには子宮頸がん検診の受診が不可欠です。子宮頸がんの予防は、副反応がなく、予防効果が科学的に実証され、費用対効果においても優れている検診 [16]が重視されるべきです。
そこで、子宮頸がん検診の必要性の周知徹底と、検診費用の無償化などによる検診受診率の向上に努めてください。
終わりに:施策の前提として被害実態の把握を
理解されにくい病態をもつ副反応の被害者に対し、以上に述べたような施策により、真に「寄り添った支援」を行うには、被害者の実情を知ることが不可欠です。HPVワクチン接種を受け、今も重い副反応症状に苦しむ被害者らの状況についてはインターネット上でも公開していますので、最低限、それらにより被害実態を把握して下さい [17]。また、直接のヒアリングを希望される場合には、弁護団にご連絡下さい。
以 上
[1] 令和3年11月26日付厚労省健康局長通知(健発1126第1号)
[2] HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団「積極的勧奨再開に関する副反応検討部会の審議の不当性について」
[3] HPVワクチン薬害訴訟全国原告団・弁護団「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の積極的勧奨再開に関する抗議声明」
[4] 厚生労働省作成リーフレット
本人及び保護者用(詳細版)https://www.mhlw.go.jp/content/000679682.pdf)
[5] HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団「重篤な副反応報告の頻度の比較」
[6] HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団「被害救済制度における障害・死亡の認定頻度の比較」https://www.hpv-yakugai.net/app/download/8095939254/210800%20kyusai-hikaku.pdf?t=1633259762
[7] 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)令和3年11月12日
資料1、14頁 https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000854145.pdf
[8] 長南謙一ら「医薬品副作用被害救済制度におけるHPVワクチンの副作用給付状況について」(医薬品情報学2020年22巻1号1-6頁)https://doi.org/10.11256/jjdi.22.1
[9] 健康被害の救済給付に係る審査件数等の実績(令和2年1月27日予防接種基本方針部会資料抜粋)https://www.hpv-yakugai.net/app/download/8095939854/200127%20kyusai-shinsa.pdf?t=1633260330
[10] 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)令和3年11月12日議事録https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22253.html
[11] 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会)令和3年11月15日議事録
[12] 令和3年12月28日付厚労省健康局長通知(健健発1228第1号)
[13] 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)令和3年11月12日資料1、3頁https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000854145.pdf
[14] Milena Falcaro et al. Lancet November 3,2021 https://doi.org/10.1016/S0140-6736(21)02178-4
[15] 西岡久寿樹「ヒトパピローマウイルスワクチン接種後の中枢神経障害を中心とする多彩な病態をどのように把握するか:わが国と諸外国の調査成績の検討」(神経内科85巻5号512~519頁)他
病態については、弁護団意見書「積極的勧奨再開に関する副反応検討部会の審議の不当性について」https://www.hpv-yakugai.net/2021/10/04/hutousei/添付論文一覧参照
[16] 国立感染症研究所「9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンファクトシート」(2021年1月13日)62~63頁 https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000770615.pdf
[17] HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団ホームページ「被害者の声」
別紙議事録抜粋
<令和3年11月12日 第72回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第22回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)>議事録より抜粋
○舟越委員 ・・・今後、積極的勧奨とか何かになったときに、副反応や相談が増えたときには、協力医療機関を増やすことはその時点でまた考えるという解釈でよろしいのでしょうか。
○柿崎委員 ・・・研修・連携を通じて、協力医療機関の体制を強化していくことは非常に大切なことだと思います。
○伊藤(澄)委員 ・・・今後、接種回数が増えることに伴って、相談件数などが増えると思うのですが、・・・この審議会にタイムリーにデータが上がってきて、タイムリーに対応ができる体制の整備はしておいたほうがいいと思ったので、質問させていただきました。
○伊藤(清)委員 ・・・これまでの研修会ということで、年1回程度ということが書いてあるのですけれども、今後もし積極的勧奨を再開することになりましたら、再開する前に、事前に全体に対する研修会をきちんとしてから再開するという認識でよろしいでしょうか。
○濱田委員 ・・・ここで再開をした場合、また接種者数がどんどん増えていく。そこでまた新たな知見も出てくるわけで、先ほど伊藤澄信委員が言われていたタイミング、どうやって再評価をしていくかということなのですけれども、ベーシックなサイクル、ほかの定期接種のワクチンのサイクルですと今、結構間が空いてしまうと思うのです。ですから、その辺のサイクルをもう少し狭めて、もし再開した場合には、ほかの定期接種とは別に安全性の再評価をしていく、そういう方向を考えられたらどうかと思っております。
○永井委員 ・・・進めていくに当たって、最初は慎重に進めていくということは大事だろうと思うのです。データをしっかり収集しながら、ゆっくり広げていくという形を取るのが一番いいのかなと思っています。
○多屋委員 ・・・現在HPVワクチンは3か月に1回の審議となっておりますけれども、積極的勧奨がもし再開された場合は、しばらくの間、もう少し頻度を多くして、間隔を短くするのが一つなのではないかと思いました。
○森尾座長
これまで定期的に実施してきた協力医療機関向けの研修会について引き続き実施するとともに、協力医療機関のニーズ等を踏まえ、内容の充実を行っていく、質の向上を行っていくということでございます。
・・・協力医療機関の診療実態を把握するための調査を継続的かつできるだけタイムリーに実施していくという点でございます。
そして、地域における連携についてでございますが、地域の医療機関がワクチン接種後に生じた症状への適切な対応方法や協力医療機関等への紹介をより円滑に実施できるよう、また、地域の医療機関の医師が担っている学校に他の医療機関や都道府県等との必要な連携を取っていただけるよう、地域の医療機関に対して必要な情報の周知を行っていく。
また、地域における相談支援体制について衛生部局と教育部局との連携が重要であることから、必要な周知等を行えるよう、関係機関との一層の連携を図っていくということでございます。
・・・・そして、学校における取組の在り方については、文部科学省と検討していくということでございます。・・・
<令和3年11月15日第26回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会>議事録より抜粋
○中山委員 ・・・恐らく、再開後に副反応と認められる症例の増加というのは起きてくるだろうと思いますので、それについては丁寧に調査していただきたいということです。それから、副反応の被害者と認められた人については、その後の経過の追跡調査を行っていただきたいと思っております。
また、今、御説明にあった協力医療機関については、全国で84機関あるということですけれども、ここが被害者に本当に必要な医療を提供できているのかということも、引き続ききちんと評価していただきたいと思っております。
また、これが私、一番大事だと思うのですけれども、副反応のうちの多様な症状を呈する症例については、いまだ確立した治療方法がないと聞いております。これについては、研究班を設けるなどして、早期に確立した治療法が開発されるように尽力していただいて、本当にこのワクチンを安心して受けられるようになっていただければいいなと思います。
2022/01/28記
要請の理由2の第3段落の誤記(対象学年)を訂正しました。ご指摘をいただきました方に御礼申し上げます。
×中学1年生から
○小学6年生から