2022年12月22日、年の瀬も差し迫った中、HPVワクチン薬害名古屋訴訟第14回口頭弁論期日が開かれました。今回は、コロナ禍のために口頭弁論期日が開かれなくなってから、実に3年ぶりの公開法廷での期日となりました。
【期日当日の入廷行動の様子】
当日は、朝から天候が危ぶまれる中ではありましたが、入廷前に一瞬の晴れ間に恵まれ、期日前集会、入廷行動を行うことができました。
久しぶりの公開法廷での期日でしたが、原告さんのご家族や支援者の方々のほかにも、大勢の傍聴者やメディアの方に傍聴席までご来場いただくことができました。
【期日前集会でコメントする谷口鈴加さん(名古屋原告団代表・名古屋原告1番母:左下)と
長南謙一さん(名古屋支援ネットワーク代表:右下)】
法廷では、名古屋原告14番の女性が裁判官の前で意見陳述を行いました(意見陳述の全文はこちら)。
医療の道を志して高校進学したものの、高校生活のほとんどが痛みやしびれ等の症状との闘いであったこと、やっとの思いで大学に進学してからも、長期休暇は治療のための入院生活となり、病院に教科書を持ち込むなどしてなんとか勉強をしていたこと、努力の結果、医療の現場で働くという希望はかなったものの、今度は長期休暇が取りにくいことで治療が続かなくなってしまったことなど、これまでの被害や生活状況についてお話しいただきました。
また、原告14番さんからは、このようにやっとの思いで希望した職業に就いたものの、副反応症状のためにいつ仕事を失うかもしれないことへの怖さ、この裁判を通じて、1日も早く治療法が確立され、経済的不安なく治療を受けることができるようになってほしいという思いも、裁判官に伝えました。
このように、勇気をもって原告14番さんが意見陳述をされた様子からは、傍聴席に詰めかけた多くの方々にも、HPVワクチンがもたらした被害の深刻さと被害者のおかれた厳しい社会状況が伝わったものと思います。
期日を終えてからは、裁判所近くの桜華会館に移動し、報告集会を行いました。この間も、オンラインでは集会を行っておりましたが、会場を設置しての開催は3年ぶりとなりました。当日は、ハイブリッド方式でネット中継しながら、全国各地の方にもご参加いただき、会場参加者のみなさんと交流を深めることができました。
報告集会では、久しぶりの法廷での期日を終えての感想を、原告の皆さんに一言ずつお話しいただいたほか、オンラインも含めご参加いただいた支援者の皆様にも心強い激励のメッセージをお寄せいただくことができました。
【原告・落合晴香さん(左)と谷口さんに期日を終えての感想をいただきました】
【HPVワクチン薬害訴訟を支える会・北海道の浅川身奈栄さんからオンラインで励ましのコメントをいただきました】
【挨拶をする各地弁護団メンバー:左から堀(名古屋)、水口(東京)、山西(大阪)、小林・富永(福岡)弁護士】
報告集会終了後、弁護団と原告14番さんとで司法記者クラブでの記者会見に臨み、本日の法廷での状況や、意見陳述の内容を説明しました。ここでも、原告14番さんには、ご自身の言葉でこれまでの被害やこの裁判に期待するところをお話しいただき、記者の方々からもたくさんの質問が寄せられました。
【弁護団とともに記者会見に臨む原告14番さん】
本当に久しぶりの法廷で、弁護団もこれまでのことを色々と思い出しながらの対応ではありましたが、なんとか無事に1日終えることができ、ほっとしています。
次回期日は、2023年2月20日(月)午後2時です。予定では、次回も公開法廷での期日となっております。来年からはいよいよ専門家証人の尋問も始まります。ぜひ、大勢の方に裁判や集会に足をお運びいただき、活動を盛り上げて参りたいと思います。