2021年11月12日、HPVワクチン薬害訴訟全国原告団・弁護団は、厚生労働省の副反応検討部会が、HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の積極的勧奨の再開を妥当であるとする結論をとりまとめたことに対して、抗議の声明を公表し、厚生労働記者会において、会見を行いました。
この会見に参加した東京訴訟原告の望月瑠菜さんの発言全文です。
どうか被害者の声に耳を傾けてください。
東京訴訟原告 望月瑠菜
今日山梨から電車で東京に向かっている途中に、たまたま保存されていた高校卒業時に書いた両親への手紙の下書きが出てきました。4年前の私が書いた手紙です。
高校1年生の夏に歩けなくなってしまい、高校3年間障害を抱えながら過ごし、普通とはかけはなれた高校生活を送った私ですが、その手紙には、「治療法がきっと見つかると信じてる」と、とても前向きに書いてありました。
当時の私は治療法がすぐでてくると心から信じていたのです。ですが、実際のところ4年前の症状と変わらない症状で今も生活しています。
たった4年じゃ何も変わらないよと思う方もいるかもしれませんが、今すぐにでも痛みのない生活、障害のない生活を望んでいる私にとっては、4年はとても長い月日です。
当時の私は治療法を早く見つけてほしいという一心で、勉強会を開き被害を知ってもらったり、メディアを通して全国にこの被害を広めたり、高校生なりにがんばっていました。
直接議員さんにお話したり、時には厚生労働大臣と直接お話したりしました。
厚生労働大臣とお話する機会をはじめていただき、被害者に寄り添って行きたいという言葉を厚生労働大臣の口から直接聞いたときには、「やっと助けてもらえる」と心からうれしく思いました。
ですが、それから寄り添ってもらっているなと感じたことは一度もありません。
助かったなと思ったことも一度もありません
そしてまた本日、HPVワクチンの積極的勧奨再開が決定したということを聞いて、あらためて私たち被害者のことを心から見ていないなと実感しました。
私はこの被害について考えるのは、あまり好きではありません。今までのことを考えると、悲しくて涙が止まらないからです。
これ以上、思い出すのを悲しむ過去の時間を長くさせないでください。