2020年1月14日午後1時から午後2時30分まで、名古屋市立大学薬学部の宮田記念ホールにおいて開催された薬理学特別講義で、HPVワクチン薬害問題を取り上げていただきました。
特別講義に参加した薬学部の2年生と3年生約150人に対し、まず堀康司弁護士(HPVワクチン薬害名古屋訴訟弁護団代表)から、HPVワクチン薬害問題のアウトラインを解説し、厚労省が作成したHPVワクチンのリーフレットの内容の変遷を題材にとりあげて、ワクチン接種者への情報提供のあり方について問題提起しました。
続いて、落合晴香さん(HPVワクチン薬害名古屋訴訟原告)が、HPVワクチンを接種した後に実際に体験した様々な身体への影響について、詳しく説明しました。
落合さんはサーバリックスの接種を3回受けましたが、接種部の腫れや痛みが続いた後、次第に下肢の痛みやむくみが出現しました。こうした症状の悪化に伴い、倦怠感や生理痛、関節痛、頭痛、脱力、痙攣といった多様な症状が重なっていきました。そして2017年に意識喪失を来したのち、記憶が大幅に失われてしまいました。
こうした症状に今も苦しみながらも、この問題を解決するには多くの人に事実を伝えていくことが大切と考えて、自ら行動していくという決意であることを、落合さんは、来場した薬学生の皆さんに伝えました。
HPVワクチン薬害訴訟名古屋原告団代表の谷口鈴加さんからは、各地で被害者を支えるネットワークが立ち上がっており、2月15日には名古屋で各地の支援の様子を踏まえたシンポジウムを開催することを紹介しました。
講義終了後、参加した学生さんからは、痛みや痙攣といった症状以外に記憶や認知の障害が出ることがあることは知らなかった、接種者向けのリーフレットにそのことが書かれていないのはおかしいと思うといった感想が寄せられたことを、粂教授からご教示いただきました。多くの学生さんが真剣に耳を傾けて下さったことが、本当によく分かりました。
このような貴重な機会をいただいたことに、あらためて御礼申し上げます。
原告団・弁護団では、これからも多くの方に被害の実情をお伝えする努力を重ねていきたいと思います。
1月23日には名古屋訴訟の口頭弁論が開かれますので、是非大勢の方に傍聴にお越しいただければと願っています。