2019年8月30日(金)、厚生労働省にて、予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会と医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議が開かれました。HPVワクチンとの関連では、主に厚労省作成リーフレットによる情報提供に関する調査結果が報告され、リーフレットの改訂と周知に関する議論がなされました。
HPVワクチンの被害者は、危険性を十分に知らされることなく接種を受け、重篤な副反応に苦しんでいます。同じ過ちを繰り返さないために、まず伝えるべきはこうしたHPVワクチンの危険性に関する情報です。
しかし現在のリーフレットは、医師向けのリーフレットには学習障害・記憶障害のリスクが記載されているものの、保護者・本人向けのリーフレットには記載されていない等、危険性を十分に伝えるものにはなっていません。リーフレットを改訂するのであれば、この点をまず改訂すべきです。
こうした改訂の必要性はすでに2018年1月の「HPVワクチン新リーフレットの全面修正を求める緊急要望書」において指摘済みですが、合同部会では、これらの問題点は全く審議されていません。
そこでHPVワクチン薬害訴訟全国原告団・弁護団は、同日の合同会議終了後に厚生労働省内で記者会見を行い、合同会議では副反応による被害者が置き去りにされていることを指摘し、審議のあり方を批判しました。
今回の会見に出席した東京原告3番の父は、娘がHPVワクチンの危険性を知らされずに接種し、今なお深刻な学習障害に苦しんでいるのに、受診した医療機関では詐病扱いされて十分な治療を受けられなかった経験を語り、国は被害を認めて被害者の現状を理解してほしいと訴えました。
こうした体験は東京原告3番だけのものではなく、多くの原告に共通するものとなっています(『HPVワクチン薬害訴訟 原告の声-提訴から3年を経た今の思い 』)。
これ以上被害者を増やさないためにも、HPVワクチンの積極勧奨の再開は許されません。
リーフレットの周知に名を借りた形で、事実上積極勧奨が再開されてしまうことも許されません。
これからもご支援をよろしくお願い申し上げます。