HPVワクチン薬害訴訟全国原告団と全国弁護団は、2018年10月11日、日本医師会及び日本医学会に対し、合同公開フォーラム「HPVワクチンについて考える」開催に対する抗議声明を送付し、翌12日に東京・厚生労働省記者クラブで記者会見を行いました。
同様の合同フォーラムは2014年にも開催されていますが、その際には、HPVワクチンの危険性を指摘する研究者も招かれていました。しかし今回は、多くの副反応被害者を診察して、HPVワクチンの危険性についての知見を発表し続けている医師らを全く呼ぶことなく、接種勧奨再開という結論ありきの構成となっています。
厚生労働省での記者会見に出席した原告関係者は、次のように発言し、この合同フォーラム開催に対する抗議の思いを伝えました。
東京訴訟原告山田梨奈さん
「このフォーラムの開催を知ったときに、私たちが忘れられていると感じた。国にうてと言われたからうったのに、当事者を置き去りにして議論をするのはおかしい」
山田さんの父
「たくさんの医師の治療の成果があらわれて、副反応症状は改善をみせている。なのに、治療に尽力してくれた医師を排除してこのようなフォーラムが行われるのはおかしい」
東京訴訟原告園田絵里菜さん
「医師からは症状を診てみないとわからないと言われているのに、診ていない人がなぜわかるのか。実際に患者を診た医師と、研究に詳しい医師両方の意見を取り入れて議論してほしい」
園田さんの母
「娘の同級生は大学4年生になるが、娘の人生は始まっていない。治療をがんばっているが、今後どんな人生を送っていくのか不安でたまらない。もう少し被害者の声を聞く時間を持ってほしい」
東京訴訟原告15番さん
「もとの身体に戻してほしいだけなのに、そのためには大勢のお医者さんの力が必要なのに、一方的な勉強会を開くのはひどいことだと思う。すみに追いやって、私たちを見捨てることはしないでほしい」
東京原告15番さんの母
「治ってもいないのに接種勧奨再開の議論をされても、娘の人生は止まったまま。まずは助けてほしい。安全性ばかり取り上げられると、また副反応が出た子たちが苦しむことになる」
また、原告の平原さんの母は、意見書別紙の表を示し、「他のワクチンより多くの副反応被害が出ていることは、この表を見ても明らか」だとした上で、認知行動療法を実践する医師がフォーラムに招かれていることについて、「治療法が見つかったと勘違いするお母さんがたも多いと思う」と警鐘を鳴らしました。
近時、複数の研究者らより、HPVワクチン接種と副反応被害発生との間の時間的相関関係が指摘されるなど、HPVワクチンの危険性は更に明確となっています。東京弁護団事務局長の関口正人弁護士は、これらの調査研究を紹介し、積極的勧奨が再開した場合は、副反応で苦しむ患者が再度発生することが予想されると訴えました。
最後に、全国弁護団共同代表の水口真寿美弁護士から、まずは治してという被害者の声を受け止めるよう求めました。
このような問題のあるフォーラムにおいて、何らかの結論が出されるということはあってはなりません。引き続きご理解とご支援をお願いいたします。