平成30年5月29日、初夏の風が爽やかにそよぐ中、大阪地方裁判所において、第7回弁論期日が開催されました。法廷では、原告側より、岡山の原告22番さんの意見陳述と、HPVワクチンの有効性・危険性に関する被告らの主張に対する反論等を行いました。
岡山の原告22番さんによる意見陳述では、本件ワクチンによる副反応症状について、詳しく説明しました。
具体的には、HPVワクチン接種後、嘔吐を繰り返したり、目の奥をスプーンでほじくりかえされるような頭痛に襲われたりしたこと、全身に力が入らず、食事・着替え・トイレ・入浴などを母親に手伝ってもらわなければならなかったこと、物が二重に見えたり、通常の光でも眩しくてサングラスをかけるようになったことなど、HPVワクチンによる副反応の深刻さを自分の言葉でしっかりと語ってくれました。
そして、このような症状に苦しめられても、病院へ行けば、「検査では異常がない」「心に問題がある」などと言われて、適切な治療を受けることもできず、悔しい思いをしたといいます。
原告の母親は、苦しむ原告22番さんに対して何もしてあげることができず、「私のせい。私を恨んでいいよ。」と声をかけたそうです。原告22番さんは、こうした母からの言葉について「でも、私はお母さんを恨もうと思ったことはないし、恨む気持ちは一切ありません。」と語りました。
意見陳述の最後に、原告22番さんは、「治療体制を整えてほしい。私たちのような被害が生じていることを理解してほしい」と裁判官に力強く訴えました。
引き続いて、弁護団から法律面についての主張を法廷で説明しました。
被告らは「原告らが主張する症状は非特異的であり、HPVワクチンによる副反応とはいえない」と主張していますので、弁護団は、HPVワクチンによる副反応は、多様性・重層性・遷延性という特徴を有しており、症状を全体的に観察しなければ本件ワクチンによる被害を把握することはできないことを指摘しました。
また、被告らは「海外では安全性が確立されている」「原告が主張するような状況は日本だけである」などと主張していますが、実際には、海外においても多数の被害が出ています。弁護団からは、こうした海外での実態を指摘しつつ、被告らが根拠とする論文が適切な内容ではないこと、これらの論文の作成者の大半は製薬会社と利益相反関係にあることなどについて詳しく解説し、WHOなどの国際機関自体が被告企業と深い利益相反関係にあることも指摘しました。
そして、ワクチンの有効性に関して被告らが提出する論文については、その記載の問題点について、ひとつひとつ個別に反論するとともに、子宮がん検診についての被告の主張の誤りを指摘し、子宮がん検診こそが子宮がんの予防のための適切な対応であることを主張しました。
最後に、緊急促進事業の違法性に関する原告からの指摘に対し、被告国がいつまでたっても正面から答えようとしない姿勢を示していることについて、弁護団から厳しく追及しました。
次回の大阪地裁の弁論期日は、平成30年9月11日午後2時からです。
今後も原告団・弁護団は全力で裁判を闘って参りますので、引き続きご支援をよろしくお願いいたします。