3月6日、HPVワクチン名古屋訴訟第6回期日が開催されました。
前日は激しい雨が打ち付けるような悪天候でしたが、当日は風は強いものの春らしい日差しに恵まれ、予定どおりに裁判所西側にて期日前集会を開催することができました。
今回は、2月25日に名古屋訴訟の支援ネットワークが設立されてから、初めての期日でした。大勢の方に見守られながら期日前集会を開催できたことは、大きな励みとなりました。
今回の法廷では、まず、原告15番さんが意見陳述を行いました。
中学3年生でHPVワクチンを接種してから手足のしびれや痛みが生じ、勉強をしていても文章が頭に入ってこないことが増え、住所すら思い出せない、起き上がることができない一方で浮遊感から寝ていることもできないといった様々な症状が現れたこと、そして周りの友人が受験勉強に打ち込む中、自分はそれができずに志望する大学の受験を諦めざるを得なかったことを、15番さんは、こぼれそうになる涙をこらえながら、裁判官に向かって思いを伝えました。
そして最後は、この訴訟を通じて、HPVワクチンによって副反応被害が生じていることが明らかにされ、その治療方法が見つかることを期待したいと述べて、意見陳述を締めくくりました。
続いて弁護団からは、北川喜郎弁護士より、海外における有害事象のデータベースを用いた複数の研究でも、HPVワクチンの危険性が示されていることを説明し、また、ガーダシルが安全であるとする被告MSDの主張に対する反論の概要を述べました。
北川弁護士からは、米国のCDCとFDAが共同で運用するデータベースにおいても、また、WHOが世界120カ国から情報を集めたデータベースにおいても、研究者らが、その情報を丁寧に解析した結果、HPVワクチンの副反応として、原告らが実際に被っているような重篤な症状が惹起されていることがすでに示唆されていることを説明し、被告が論拠とする臨床試験や市販後調査は、そもそも本件副反応の発生を捉えることができる設計となっていないことを批判しました。
期日終了後は、桜華会館において記者会見を行いました。
法廷で意見陳述をした原告15番さんは、法廷に出廷するだけで体力的に限界であったため、15番さんご本人とお母さんのコメントを、弁護団の舟橋弁護士から代読する形で紹介しました。
原告15番さんからのコメントは、治療方法が見つからず、副反応症状に対する周りの理解が得られなかった経験から、被害実態を少しでも多くの方に知って欲しいとの思いで、本日、勇気を出して意見陳述に望んだというものでした。
また、15番さんの母のコメントは、支援者の方々に向け、実際に訴訟に参加して、これほどの多くの支援があったことを知り、こうした支援の声が原告のみなさんやそのご家族の励みになっていることへのお礼を述べるものでした。
記者会見に引き続いて行われた報告集会でも、先日立ち上がったHPVワクチン薬害名古屋訴訟支援ネットワーク代表世話人・長南謙一さんをはじめ、当日ご参加いただいた多くの支援者の方から、力強い激励の言葉を頂戴しました。
これからも、こうした支援の輪を拡げていきながら、この訴訟を闘っていきたいと思います。
最後には、九州弁護団・大阪弁護団・東京弁護団の各弁護士から、各地の裁判の状況を、来場いただいた皆さんにお伝えし、全国の裁判への応援をあらためて呼びかけました。あわせて、3月24日に東京で行われる国際シンポジウムでは、世界各国で同様の被害が生じていることを世の中に伝えていきたいと考えていることも紹介しました。
次回期日は、6月1日(金)午後2時から開かれます。
次回も、大勢の方にご参加いただけることを期待しています。
どうか今後ともご支援下さい。