2017年10月21日、全日本民主医療機関連合会(民医連)東海北陸地協主催の第5回初任薬剤師研修に、名古屋訴訟の4名の原告さんとそのご家族が参加しました。
東海北陸地域の若手薬剤師を対象とした今回の研修会では、HPVワクチン薬害をメインテーマとして取り上げていただきましたので、名古屋原告団・弁護団では、実行委員会のみなさんと数回にわたる準備会合を重ねた上で、当日を迎えました。
この日は台風の接近に伴う荒天にもかかわらず、東海北陸の各県から20名以上の薬剤師のみなさんが名古屋市内の会場に来場しました。
この日のプログラムでは、まず最初に、3名の薬剤師の方から、事前に準備いただいたHPVワクチン薬害問題の基本的な情報に関するレポートの発表がありました。その中では、2010年の時点で民医連の地方組織内においてHPVワクチンを検討した際、安全性や有効性が十分に確認されていないことを理由として、このワクチンに対する疑問の声がすでに上がっていたことなども紹介されました。
弁護団からは、各地の原告の療養生活の様子をビデオ映像で紹介した上で、スライドを用いてHPVワクチン薬害訴訟の現況を説明しました。その中では、この訴訟が、国と企業の法的責任に基づく真の意味での被害回復と薬害の再発防止を目的としていることなどを解説しました。
また、谷口鈴加名古屋原告団代表からは、HPVワクチンを娘に接種させてしまった母としての後悔の思いを語り、薬の専門家である薬剤師の皆さんから、薬やワクチンについての正確な情報を社会に伝えていって欲しいと願っていることをお話しました。
参加した原告さん本人からも、それぞれ自己紹介とともに自身が体験してきた被害の実情を説明しましたが、参加者のみなさんは、被害者本人の言葉に、真剣に耳を傾けて下さいました。
その後、3つの班に分かれてのグループトークが行われました。民医連の皆さんがそれぞれの地元から準備して下さったお土産のお菓子をつまみながら、和気あいあいとした雰囲気で、交流を深めることができました。
最後に、長南謙一鈴鹿医療科学大学准教授から、この日のまとめの講義として、民医連による過去の薬害事件への関わりをご紹介いただきました。参加した私たちも、民医連のみなさんが、長年にわたって多くの薬害と対峙してきた歴史を知ることができ、とても勇気づけられました。
参加された薬剤師の皆さんが書いて下さった原告さんへのメッセージを記念品としてプレゼントいただけるというサプライズもあり、とても充実した1日となりました。
民医連の皆さんからのご提案をきっかけとして、こうした貴重な機会を得ることができたことを、原告団・弁護団ともに、心から感謝しています。本当にありがとうございました。
引き続き、弁護団では、原告さんとともに、この訴訟に対する理解と支援の輪を広げていきたいと思います。