南山大学法学部の講義に参加しました

2017年10月17日、名古屋弁護団は、名古屋訴訟の原告さんとともに、南山大学法学部の講義に参加しました。
今回の講義は、本年5月に開催された青法協あいちでの勉強会にも参加されていた南山大学法学部・洞澤秀雄准教授から声をかけていただき、実現したものです。当日は、洞澤先生が担当されている学部2年生向けのミドル演習(ゼミ)と、同じく南山大学法学部・豊島明子教授のミドル演習の合同講義として開催され、約40名の学生さんが出席して下さいました。

この講義では、まず名古屋弁護団の小嶋哲司弁護士とのインタビュー形式で、名古屋原告12番さんご本人から、被害実態について説明しました。
HPVワクチンの副反応では、感覚系、運動系、自律神経・内分泌系、認知・情動系といった身体機能の広範な範囲にわたる症状が1人の患者に重層化して出現するという特徴があることが、国内の複数の研究者から報告されています。

12番さんも、激しい頭痛や生理痛、吐き気、目眩、失神といった症状に今も苦しんでいますが、今年に入って失神した後は、それ以前の記憶がほとんど残っていないという状態に陥りました。彼女の記憶は今も取り戻すことができていません。

今回の講義では、12番さん本人の言葉で、記憶が戻らないまま身体の苦痛に耐えていかなければならない苦しさや将来についての不安、そして今進行中の裁判の訴訟に託した思いについて、話しました。
参加した学生さんの多くは12番さんと同い年で、実際にHPVワクチンを接種した経験を持つ女子学生の方も少なくありません。そうした学生さんが、皆、真剣なまなざしで12番さんの声に耳を傾けていただけたことがとても印象的でした。

12番さんからのお話の後、名古屋弁護団の柄沢好宣弁護士より、HPVワクチン薬害訴訟の概要と現況を解説しました。
その後の質疑応答では、参加された学生さんから多くの質問をいただきましたので、予定の時間をオーバーするという熱気の中、今回の講義を終了することができました。

講義終了後には、10月31日に予定されている次回の名古屋訴訟期日を是非傍聴したいと申し出て下さる学生さんもいらっしゃいました。

今回の講義を通じて、HPVワクチン薬害の現実の被害を知っていただいた上で、こうした問題とどう向き合っていく必要があるのかということについて、法学を学ぶ方々の視点から真剣に考えていただけたことを、とてもうれしく感じています。こうした貴重な機会を設けていただいた南山大学及び洞澤先生・豊島先生には、心からの御礼と感謝の念を申し上げます。

 

原告団・弁護団では、今後もこうした機会をもつことで、少しでも多くの方に被害実態を知ってもらうことができたらと考えています。