本日6月14日は、九州訴訟の第4回口頭弁論期日でした。
福岡は梅雨入りしたとは思えぬほどに晴れ上がり、暑さが厳しい日。期日開始前の福岡地方裁判所の正門前では、その暑さを上回るほどに熱い応援のスピーチが繰り広げられました。
被害者の訴えに全く耳を傾けず、裁判所に傍聴に訪れた被害者たちに背を向け、「ワクチンのおかげで癌が減っているじゃないか」などと我が物顔で主張する被告企業らに対する怒り。まだまだ続く裁判を共に頑張っていこうという強い決意。新たな被害者を二度と生み出したくないという叫び。全国から届いた熱い想いが福岡の空に響きます。
裁判という場で自分の被害を訴えることは,簡単なことではありません。それでも,原告番号30番さんは,体の痛みや緊張とたたかいながら、法廷で力強く訴えました。
「自分でデザインした洋服を着て,ファッションショーの舞台を歩きたい」
彼女の夢は,HPVワクチン接種により奪われてしまいます。突如襲ってくるけいれんの発作。金づちで叩かれたような全身の痛み。学校へ行くことも,アルバイトをすることもできず、治療さえままならない日々。言葉で言い表せない将来の不安。
「被害者を生んだという事実から目をそらさないでほしい」
切実な願いが言葉になったとき、被害を訴える原告番号30番さんと法廷で同じ時を過ごした裁判官を含む多くの人の心が震えます。
「こんなのおかしいよ!」
「なんでこの少女がこんな被害を受けなければいけないの!」
意識して抑えていなければ口をついて飛び出してしまいまいそうなくらいにやるせない思いが心に広がります。
德田靖之弁護士からは、被告企業や国が,過去の薬害事件の教訓を学ばず、機序や因果関係が医学的に解明されていないなどという反論に終始していることを強く糾弾する意見が述べられました。
意見陳述を終えた時、傍聴席からは、音にならない大きく長い拍手が聞こえたような気がしてなりません。
「今,私たち一人ひとりは,彼女たちのために何ができるのだろう」
被告らの心にも彼女の声が届いていることを願うばかりです。
その後に開催された報告集会とそれに続く懇親会にも沢山の支援者の皆さんに参加していただきました。
支援の輪が少しずつ,でも確実に広がっています。
次回の第5回口頭弁論期日は,9月13日(水)です。
夏、真っただ中。本日の第4回口頭弁論期日にも増して,福岡地裁に熱い想いが充ちていきます。ぜひ次回も法廷にお越しください。