東京訴訟第2回期日が開かれました。

2017年5月10日、初夏の日差しが和らいだ曇り空の中、東京訴訟第2回期日が開かれました。

期日に先立って行われた東京地裁前のリレートークでは、前回に引き続き多くの支援者の方が集まり、この被害に対する救済の願い、再発の防止に向けた想いを語っていただきました。

今回原告からは2つの準備書面を提出しました。

1つは、HPVワクチンの性質や原告らの症状の共通性、国内で確認された他覚的所見や研究結果などから、HPVワクチンには原告に生じている副反応を引き起こす危険性があるというものです。

もう1つは、HPVワクチンの対象や効果は極めて限定的であり、子宮頸がんは検診による早期発見・治療が可能であることなどから、HPVワクチンには有用性がないというものです。

法廷では、それぞれの書面の内容について、弁護士が概要を陳述しました。

 

続いて、原告番号43番さんが、法廷において意見陳述を行いました。

彼女からは、原因がわからないまま被害に苦しみ、それでも学校へ行こうとしたときのこと、これまで頑張っていたピアノがもう弾けなくなってしまった辛さ、これまでの生活が一変し将来のことを何も考えられなくなったこと、などの切実な想いが述べられました。

普通の生活をしたいだけ、という43番さんの言葉は、原告のみならず被害者全員に共通する想いだと感じられました。

 

一方、被告GSK・被告MSDの代理人から、被告らの提出した準備書面の要旨が述べられました。

 

口頭弁論終了後は、弁護士会館内にて、記者会見が行われました。会見では、法廷で意見陳述をした原告43番さんとともに、全国原告団代表の酒井七海さんが、記者からの質問に答えました。

酒井さんは、第1回期日には体調不良のため出席することができませんでしたので、今回が初めての法廷となりました。酒井さんからは、同級生がこの春から社会に出て働いているのに、自身が足踏みをしていることのもどかしさを述べた上で、被害を直視しない被告らの法廷での様子については、私たちとはちがうところしか見ていないと感じたという発言がありました。

法廷での期日と並行して、傍聴に外れてしまった方のために、日比谷図書文化館地下ホールにおいて、法廷外企画が行われました。この企画では、この事件の概要・HPVワクチンの問題点に関する説明のほか、原告の方からの被害に関する実情、法廷で陳述されている準備書面の説明、この被害について今後行われる勉強会のご案内などが行われました。

その後、法廷外企画の会場には、法廷に出席していた原告や傍聴していた支援者も合流し、第2回期日の報告集会が行われました。

報告集会では、期日の報告のほか、原告団代表である酒井さんのお父さんからも期日の感想が述べられていました。また支援に取り組んでくださっている方々からも、被告の主張の問題点などを力強く指摘しつつ、今後の支援への意欲を語っていただきました。

特に、今回の報告集会では法学部や医学部の学生など、被害者と同世代の若い人たちの参加が多かったことが印象的でした。

 第3回の期日は、2017年8月23日15:00です。

次回の期日では、翌日に行われる薬害根絶デーの前夜集会が引き続いて行われる予定です。今回に引き続き、さらに多くの方に参加いただければと思います。