3月2日、名古屋地方裁判所において、第2回口頭弁論期日が開かれました。
今回は、二次提訴の事件が併合されてはじめての期日となりました。
前日の空模様から当日の天候不順が心配されましたが、裁判所の門外で行われた期日前集会の頃には雨脚も弱まっており、複数の支援者の方から支援の声をいただくことができました。
法廷では、原告6番ご本人、原告9番ご本人の意見陳述が行われました。
当初、原告6番、原告9番の順番での陳述を予定していましたが、原告9番さんの体調不良のため、法廷で急遽順番を入れ替え、先に原告9番さんから意見陳述を行いました。
原告9番さんは、証言台の前に立ち、背筋を伸ばして裁判官の目をみながら自分の思いを伝えていました。
しかし、大好きな部活ができなくなったこと、体調を理由に友人が離れたり失恋もしてしまったこと等、これまでの体験に話が及ぶと、涙をこらえきれない様子でした。
周りが次々と就職の内定をもらっていく中、これも体調を理由に内定がもらえないことへの不安も、率直に語っていました。
原告6番さんは、これまで自分が頑張ってきたことをなかったことにしたくない、きちんと伝えたいとの思いで意見陳述を行いました。
自身の副反応症状について話をする際に、当時、お母さんが残していたメモを読み上げました。
これは、重い症状が出ていた当時、ご自身の記憶・認識がないためです。
自分の身体が変わっていってしまう恐怖、今でも普通の高校生活が送りたかったという思いを涙ながらに語りました。
いずれの原告さんの意見陳述も、HPVワクチンの副反応症状の実情、特質が非常によく表現されたものだと思います。自身のつらかった経験を振り返りながら、将来の不安を語る原告さん本人の姿は、傍聴席の心を惹きつけていました。
原告意見陳述に引き続いて、弁護団から横山貴之弁護士が意見陳述を行いました。
横山弁護士からは、子宮頸がんの予防には定期的な検診が安全かつ有用であること、一方でHPVワクチンの効果が限定的であり、ワクチン接種後も定期検診を受ける必要があることを説明しました。
期日後には、記者会見と報告集会が行われました。
報告集会でも、大勢の支援者の方から応援の声をいただきました。
報告集会の中で、大学で医薬品適正使用に関する研究・教育をしておられる方から、副反応が生じる確率がわずかでも、被害者にとってはそれがすべてになってしまうとおっしゃっていました。薬剤師を育てる教育者の方から、このように被害者に寄り添う言葉をいただけたことは、大変感動的でした。
次回期日は、6月30日(金)です。