2017年1月11日、福岡地裁において、九州訴訟の第2回口頭弁論期日が開かれました。
昨年9月28日の第1回期日に引き続いて、福岡地裁には大勢の方が傍聴に駆けつけました。
法廷では、原告番号8番の女性が、自身の被害の実情を静かに語りました。
原告番号8番さんは、中学1年のときにはバドミントン部で活躍し、将来は教師になりたいという夢に向かって高校への進学を希望していました。しかし、ワクチン接種後数日で体調不良で入院が必要となり、足に力が入らないなどの症状が生じたため、希望する高校の入試を受けることもできず、進学した先も休学・退学せざるをえなくなり、現在は同級生から1年遅れて、通信制の高校で学んでいますが、今も歩行困難やけいれん、不随意運動といった症状は続いています。
彼女が、朝起きて、制服を着て、バスに乗って、学校に行って、勉強したり、部活をして、帰りは友達と寄り道をするなど、普通の高校生がしていることができないことのつらさを話した際には、声が詰まり、涙がこぼれてしまいました。その様子は傍聴した大勢の方の胸を打ちました。
引き続いて九州弁護団の黒木聖士弁護士が、HPVワクチンが諸外国やWHOで推奨されているという被告企業らの主張に含まれる本質的な問題点について意見を述べました。
その中では、諸外国においても重篤な有害事象が数多く報告されていること、そして日本においても他の定期接種対象ワクチンと比較して重篤な有害事象が約7倍に達していることが紹介されました。
また、WHOなどの推奨声明は、日本の副反応症例を自ら調査しないまま出されたものであって、既存の疾患では説明できない多様な身体症状が、1人の被害者に重層化して長期間継続しているという現実に目を向けていないものであることが指摘されました。
閉廷後は、原告団・弁護団による報告集会と記者会見が行われました。
会見では、原告番号8番の女性が、法廷で意見を述べた際にとても緊張したことなどを説明しました。被告企業の意見陳述を聞いた感想について質問を受けると、「私たちには治療法も何もなくて、たくさん困っているのに、私たちのことを何もわかってくれていない。悔しい思いがした。」と率直な心情を語っていました。
次回の九州訴訟は平成29年3月22日午後2時30分開廷です。引き続きご支援下さい。