本日、HPVワクチン薬害訴訟全国原告団は、英国・スペイン・アイルランド・コロンビアの被害者団体及び薬害オンブズパースン会議・全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会とともに、「HPVワクチンに関する共同宣言2018」(Joint Statement 2018 for the Victims of HPV Vaccines)を公表しました。
これは2018年3月24日に東京で行われた国際シンポジウムの成果に基づくものです。
また、本日、薬害オンブズパースン会議が、上記国際シンポジウムのビデオ配信を開始しましたので、あわせてご覧下さい。
HPVワクチンに関する共同宣言2018
私たちは、英国・スペイン・アイルランド・コロンビア・日本のヒトパピローマウイルス・ワクチン(以下HPVワクチン)の被害者たちを代表して、2018年3月24日に東京で国際シンポジウムを開催しました。この会議の目的は、各国のHPVワクチンの被害者の実状を明らかにし、症状の軽減と回復への方策を探り、被害者の日々の活動を支援する方法について討議することでした。
当初、HPVワクチンの被害は、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、慢性疲労症候群(CFS)、体位性頻拍症候群(POTS)などに類似する症状として認識されましたが、まもなくその臨床症状と経過はさらに複雑なものであることが判明しました。HPVワクチンで報告された有害事象(AE)の臨床的特徴は、多彩な症状と、これらの症状が長期間にわたって重層的に出現することです。この有害反応の中には、以下のような多系統にわたる複合的な症状が含まれます。
- 頭痛、筋肉痛および関節痛を含む全身痛
- 麻痺、筋力低下、不随意運動、けいれんなどの運動機能障害
- しびれおよび知覚障害/ 光と音に対する過敏症
- めまい、低血圧、頻脈、下痢を含む自律神経症状
- 呼吸機能障害
- 月経異常、月経過多等の内分泌障害
- 不安、幻覚、自殺傾向などの心理的症状
- 過眠症、ナルコレプシーなどの睡眠障害
これらの症状の結果、学習が阻害され、高度の疲労感や意欲低下を訴え、日常生活にも障害を来すようなケースも多くみられます。これらの症状の臨床的特徴は、今回のシンポジウム参加5カ国すべてに共通しており、そればかりでなく、シンポジウムに参加できなかった他の国々の被害者でも、きわめて類似の特徴が報告されています。
また、HPVワクチンの有害事象報告は他のワクチンよりも圧倒的に多いことが、いずれの国でも共通して認められています。被害者たちのこれらの症状は、ワクチンの成分とその設計に起因することが、現在、多くの研究で示されています。
にもかかわらず、保健当局や医療専門家たちはHPVワクチンと有害事象との因果関係を否定し続けています。ワクチンを推進している人々は、被害者たちの症状と有害事象との関連について無関心です。
CRPS、CFS、およびPOTSの研究では、HPVワクチンの安全性に疑問が投げかけられていますが、これらの疾患は診断が困難で特異性がないという理由で、その研究は排除されています。一方、当局は、疫学分析を通じてワクチンの安全性が十分に確立されていると主張しています。
しかし、その疫学的根拠には根本的に欠陥があります。その疫学的アプローチは、長期間にわたって重層的に症状が発現することを特徴とするHPVワクチン被害のシグナルを検出するには、設計が不適切です。十年にも及んで非常に高い抗体価を維持する、このワクチンの特異な作用機序が無視されています。このような長期間作用型ワクチンでは、被害者に非常に遅発性で様々な有害作用が現れたとしても何ら驚くことではありません。しかし、彼らの論理では、潜伏期間の長い有害事象報告はワクチンとの関連が否定され、多様な症状を示す症例は既知の別の疾患と診断されてしまうのです。
一般に、ワクチンに起因する有害作用は、免疫学的介入に敏感で、脆弱な人々に起こりやすいのですが、これらの人々が一般集団の中で占める割合はきわめて小さいので、ワクチン接種群と対照(ワクチン接種を受けていない)群、あるいは一般集団との単純比較で自己免疫疾患の発生頻度を比べてみても、有意差は示されないでしょう。このように疫学的・統計的分析の適用を誤った議論をもとに、HPVワクチンの安全性を保証することはできません。このような偏った思考は、科学的調査の基本原則に完全に反し、公衆衛生における医療専門家の役割を危うくするものです。
さらに驚くべき、かつ憂慮すべきことは、被害者が体験した社会からの対応です。 シンポジウムを通じて、参加したすべての国で、被害者が受けた対応がきわめて似ていることが明らかになりました。
いずれの参加国でも、保健当局や医療専門家は、ワクチンとの因果関係を否定し、ワクチン接種後の有害事象を心因性、一種の機能性障害、あるいは詐病とみなしています。その結果、HPVワクチンの被害者たちは、適切な治療を受けられず、身体的苦痛だけでなく精神的苦痛にも耐えなければなりませんでした。
WHOやEMAなどの国際機関も、各国の保健当局や政策立案者と同様に、疫学的分析により、HPVワクチンの安全性は適切に確立されていると主張し、被害者たちの主張には科学的根拠がないとして、その訴えを排斥しています。
同じような無視と差別は、HPVワクチンによる有害事象が報告されているすべての国で驚くほどよく似ています。この国際シンポジウムに出席していない他の国の被害者も、それぞれの国の保健当局によって同じように扱われていることが分かっています。さらに、被害者とその親たちは、保健当局を信頼したからこそ、HPVワクチン接種に同意したにもかかわらず、いまは「反ワクチン派」と非難されています。
過去の多くの薬害事件において、因果関係が科学的に完全に証明されるまでの過程において、安易に因果関係を否定し、被害者を無視し差別する過ちを冒してきました。この歴史の教訓に学んでいるでしょうか。同じ恐ろしい過ちを繰り返さなければならないのでしょうか。
このような悲劇が世界規模で起こっていることを踏まえ、私たちは、政府、HPVワクチンメーカー、医療専門家、マスコミに次のように訴えます。
- 中立的な第三者による、HPVワクチンを受けたすべての人々の健康状態の長期追跡調査を実施すること
- HPVワクチンの副作用の効果的な治療法を開発する研究を促進すること
- 被害者に対する治療を提供し、生活、教育、就労の支援を行うこと
- HPVワクチンの接種に関し、インフォームド・コンセントに関する基本的人権に基づき十分な情報を得て決定ができるよう、子供、青少年、および親に対し、HPVワクチン接種によって生じる可能性のあるすべての副作用を記載した患者用情報小冊子を提供すること
- リスクを全面開示しないままHPVワクチン接種を促進するような広告キャンペーンはすべて中止すること
- 重篤な副作用の回避を保証するより安全なシステムが確立されるまでは、HPVワクチンを定期の予防接種として推奨することを中止すること
- HPVワクチンの被害者に対する差別や中傷をやめること
2018年4月
薬害オンブズパースン会議
Rebuilding Hope Association HPV Vaccine Victims(コロンビア)
AAVP(Association of Affected People Due to the HPV Vaccine in Spain、スペイン)
AHVID(UK Association of HPV Vaccine Injured Daughters、イギリス)
REGRET (Reactions and Effects of Gardasil Resulting in Extreme Trauma、アイルランド)
全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会(日本)
HPVワクチン薬害訴訟全国原告団(日本)